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ホールショットへのこだわり、そして自信

今年の8耐の時だ

土曜日の予選が終わりライダーズミーティングへ篤と向かっていた
ブリーフィングルーム手前でノリックと一緒になった

タイムアタックでタイヤ選択を誤り、10位へ順位を落とした篤に
「どうしたの?タイム出なかったけど」と、ノリック

そしてこう続けた
「大丈夫、明日僕の後ろに着いて来れば
   『2番目』で1コーナー入れるから!」

俺・篤 「・・・・・・・・・・」

2人で顔を見合わせた

ん?ってことはノリックは9番グリッドから
ホールショット獲るつもり?

スプリントとは違いルマン式スタート
ではグリッドの距離差がありすぎる

半ば冗談かと思っていたがスタートしたら
ユキオの真後ろ、3番手まで来ていた・・・

言ったら申し訳無いが、ノリックのチームは勝てる体制には程遠く
アピールするには最初しかないと彼は知っていた

知っているからこそタイヤの冷えている時にリスクを背負ってでも
レースを面白く見てもらおうという彼のプロ魂を見せ付けられた


ウンが流れた

それまではパドックで会ってもお互い軽い挨拶だけの仲だった

1999年だったと思う。
その年はお互い成績が出ずに苦しいシーズンを送っていた

ドイツGPでの出来事
隣はノリックのモーターホーム
予選が終った土曜の夕方、ノリックが助けを求めてきた

「ノブアツさん、トイレが詰まっちゃたんですけど見てもらえます?」

同じ型のモーターホームだからお安い御用だけどさぁぁ
しょーがねーなーー

意外と頑固に詰まっていて、一時間を要してやっと開通。

人助けっていいなぁ、と自分に酔いしれ
「神様は明日のレースを少し助けてくれるかなぁ」
なんて欲を出したら、転倒リタイヤ・・・・しかも小指を削った

ウン●と一緒に自分の運も流してしまった・・・・
ちなみにノリックは順位は覚えていなが、かなり良かった


それ以来、人助けは嫌いになった(ウソ)



続く・・・・・・・